銅版画を刷る 前半

銅版画を刷るための道具材料

腐食が終わったらグランドをホワイトガソリンで拭き取り、リグロインで仕上げ拭きをして刷ります。

道具と材料

・軍手
・インク
・インク練り台(パレットなど)
・ヘラ(インク練り用、インク詰め用)
・寒冷紗
・人絹
・ウエス
・電話帳

お好みで
・まんじゅう

 
 

紙を湿らせる

銅版の凹部に食い込んでインクを吸い取りやすくするよう、紙は必ず湿らせます。

湿らせる程度や時間は紙の厚さや種類や好みにもよりますが、私はその日の作業を始める前に水を張ったバットに入れ、1時間以上置いておくことが多いです。本刷りの時は、前日の夜に湿らせビニールに包んでおきます。薄めの和紙などを使う際は、直前に霧吹きで水をかける程度で良いです。

水からあげたら吸い取り紙などで紙表面の水気を取ります。

紙を湿らせる
 

前の晩から湿らせる時は、ビニールシートを使います。少し厚めのゴミ袋を切って使っています。
まずビニールシートをアルコールでよく拭きます。水をくぐらせた紙(または刷毛で表裏両面に水を塗る、霧吹きで両面に水を吹きかける)を重ねていきます。ビニールシートでしっかりと包み、厚紙、板ではさみ、重石をします。

紙を湿らせる(ビニールシートをアルコールで拭く)
紙を湿らせる(水に紙をくぐらせる)
紙を湿らせる(紙を重ねる)
紙を湿らせる(ビニールシートを畳む)
紙を湿らせる(厚紙にはさむ)
紙を湿らせる(板ではさむ)

インクを練る・詰める

インクの成分を均一にするためによく練ります。
練るための台は大理石やガラス板がよく紹介されていますが、なかなかあるものではないので、バットやペーパーパレットで十分です。

練ったインクを版に置き、柔らかいヘラで縦横斜め、しっかりと溝に詰めます。絵柄がないところにも均一に乗せます。

インクは色によっても粘度が違ってきます。固い時はウォーマーで柔らかくしたりオイルを混ぜます。インクが柔らかすぎる時は、新聞紙などの上でインクを練り、油分を紙に移します。

インクを練る
インクを版に置く
インクを溝に詰める
インクを溝に詰める

寒冷紗で拭き取る

寒冷紗(かんれいしゃ)は目の荒い薄い木綿の布で、パリッパリに硬い状態で売られています。柔らかくなるまで力強くよく揉みます。

寒冷紗を揉む
寒冷紗を揉む

十分に柔らかくした寒冷紗をタンポのように丸めて、手首を使ってくるくると円を描くように版表面のインクを拭き取っていきます。
すごく感覚的なイメージですが、表面のインクをさらいながら、そのインクを溝に詰めていくような感じです。すでに溝にインクは詰まっているので、これ以上詰まるわけではないのですが、拭き取りすぎないためのイメージです。

寒冷紗を丸める
寒冷車で拭き取る

寒冷紗は汚れたら新しい面に丸め直して、銅の色がしっかり見えるまで拭き取ります。

寒冷紗を丸め直す
寒冷車で拭く

絵柄がくっきり見える状態になるまで寒冷紗で拭き取ります。
最後の拭き取り、「基本の刷り 後半」へ続きます。

寒冷車で拭き終わった状態

インク

フランス・シャルボネール(Charbonnel)社製のインクが一番きれいだと思います。色見本を見ているだけでも楽しくなります。結構高価でパーマネントバイオレットやナスタチュームイエローはチューブ一本8000円。よく使っているカーボンブラックでも一本3000円。セールの時にインクを買うのが楽しみの一つです。

以前、黒一色の版画より色が入った版画の方が高い値段が付けられる、一色増えるごとに値段が上がるという不思議な価格設定のある場所で販売してしました。その時に試したカラフルなインク。
何だかんだで私はやっぱりモノクロが好きなので、最近あまり使っていない色インク。固まって使えなくなるのはもったいないので、教室で使っていただいています。

銅版画インク