銅版画にはたくさんの工程や技法があります。基本的な工程を知るための本、細かい技法を教えてくれる本、私が普段よく使う本のご紹介です。また使う道具や材料も特殊なものばかりです。そうした版画用品を取り扱っているお店についてのご紹介です。
みみずく・アートシリーズ「銅版画ノート」視覚デザイン研究所編
一番最初に買った本。基本的な技法の手順が写真や図説とともに分かりやすく解説されています。銅版画を体験されてこれからも続けようと思う方におすすめです。
銅版画のテクニック(第2版) 深澤幸雄 ダヴィッド社
基本的な技法はもちろん、独学で銅版画を始められた深澤さんの研究の成果が200ページにわたってぎっしり詰まっています。私もほぼ独学なので、この本に助けられたことがたくさんありました。
「終わりに」に書かれている印象的な一文。「良い技法書があれば一人で始める人達の最初のいと口にはどんなにやり易いことだろう。」 遠く及ばずとも私もそうした気持ちでやっていきたいなと思います。
版画技法入門講座「銅版画を作ろう」 渡辺達正 阿部出版
同じ図柄でさまざまな技法をきれいな写真とともに解説しているので、その技法の効果がより分かりやすくなっています。「サンドペーパーと小麦粉によるコラージュ 」というのもあったりして面白いです。
版画 進化する技法と表現 文遊社
銅版画だけでなく、木版画、リトグラフ 、スクリーンプリントについて知ることのできる豪華な大型本。各版画家それぞれのアトリエで撮られているので、その様子も興味深いです。
銅版画の技法 菅野陽 美術出版社
1962年の本。手に入る道具も材料も今よりずっと少なく、限られた環境での制作について知ると、なぜこの作業が必要なのか、この工程の原理は何なのかが見えてくるような気がします。
新版 版画 武蔵野美術大学油絵学科版画研究室+通信教育課程研究室編 武蔵野美術大学出版局
全版種の制作工程を網羅しています。制作工程も充実していますが、版画概論、版画の歴史、9名の作家による自作を語る、がとても面白いです。
銅版画のマチエール 駒井哲郎 美術出版社
版画事典 室伏哲朗 東京書籍
版画の技法と表現 町田市立国際版画美術館
日本における銅版画の「メティエ」ー1960年以降の日本現代銅版画表現のひろがりからの考察 大矢雅章 水声社