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12月の展示のお知らせ

SMALL WONDERS ART SHOW 2024(LOCAL GALLERY BOOKS)

(会期終了まで一番上に表示します。新しい記事はこの下に更新します。)

SMALL WONDERS ART SHOW 2024

今年は色々と憧れの地でグループ展に参加させていただきましたが、最後は高円寺にあるギャラリーに出品させていただきます。アートやデザイン関連を主にした書籍や雑貨、子供向けの絵本、海外から取り寄せた洋書など販売しているすてきなギャラリーです。総勢105名!!の作家による楽しい予感しかしない作品展示即売会。ご購入希望の作品はその場でお持ち帰りいただけます。

出品作品 :'Christmas Ornaments' 'cat tins' 'Liqueur glass#1', 'dessert dish#2'

いつもはその年に制作した新しいものだけを出品するのですが、今回ちょっと懐かしい作品も1点出品します。個展に出してしまうと、その後実物を見る機会はほとんどなくなるので、この展示でご覧いただけたら嬉しいです。
12月21日(土)17:00-19:00のオープニングレセプションは、どなたでもご自由にご参加いただけます。ぜひご来場ください。

年末のお忙しい時期だとは思いますが、冬休みの一日、お近くにお出かけの際はぜひお立ち寄りください。

日時:2024年12月17日(火)ー12月29日(日)13:00-19:00(最終日17:00)
場所:LOCAL GALLERY・BOOK(東京都中野区大和町1-67-1)
アクセス:JR中央線「高円寺」徒歩6分
公式サイト:LOCAL GALLERY・BOOKS
instagram:@local_koenji


ツバキノミ

'ツバキノミ'

椿
— ツバキ科ツバキ属の常緑樹。日本原産で、広く全国に分布し、国外では朝鮮半島南部と中国、台湾に咲く。日本に自生するものは、ヤブツバキ(藪椿 / これを一般的にツバキと呼んでいる)、ユキツバキ(雪椿)、ユキバタツバキ(雪端椿)。世界では250種類以上が知られる。18世紀にイエズス会の修道士ゲオルク・ヨーゼフ・カメルによってヨーロッパに紹介され、後にカメルの名から 'Camellia (カメリア) ' と英語名がつけられた。

お気に入りのハイキングコースの途中に広場があって、そこで一休みお茶を飲むのが楽しみです。そこにあるテーブルの上に誰かが集めた木の実が置かれていました。それがとてもおしゃれで一目惚れ。椿の実でした。ちょうど椿の蕾が出てきた頃だったので、その実は前の年のもの、もしくはもっと前のものもあったかもしれません。木の下をごそごそ、枯葉をかき分けてみると結構あって、開いているもの閉じたままものも色々拾い集めました。

一年近く土の上でころころしていたわけで、骨董的な渋い肌質になっていたのが私のツボだったようです。テーブルに置いて行った人も、休憩しながら足元にあった実を見付けて拾い上げたのだと思います。その人が持ち帰らなかった、もしくは忘れたおかげで出会えて版画になりました。

9月に掲載した 'harvesting' ( 2024年9月21日の記事 ) にも使用している「北方グリーン」を、今回も雁皮紙のように刷り込んで使いました。雁皮紙じゃないものを使っても雁皮刷りと呼んで良いのか? 迷います。

(作品サイズ 12×12cm / エッチング、アクアチント、和紙)

ツバキノミ'

ハゼノキノミ

'ハゼノキノミ'

ハゼノキ
— ウルシ科ウルシ属の落葉樹。東南アジアから東アジアの温暖な地域に自生し、日本では関東地方以西に分布する。紅葉が美しく、別名「ハゼモミジ」とも言われる。実から取れる油は、古くから和蝋燭の原料として使われてきた。

強い風が吹き荒れた日の次の日、道路にごっそり落ちていたハゼノキの実。節分にまく豆のような質感で、何となく見ていると美味しそうで、ついつい拾い集めてしまいました。ウルシ科なので葉っぱはあまり触れてはいけないらしいですが、木の種類を調べたく、葉っぱを一枚もぎってしまいました。今回は大丈夫でしたが、お気を付けください。

蝋燭の原料となってきたことから、英名は'Japanese Wax Tree' ということになるようです。ちょっとタイトルにするには、私基準の風情が感じられないので、久しぶりに日本語にしました。'ハゼノキノミ'。こういうものを実と呼ぶのか種と呼ぶのか何か別の呼び方があるのか、いつもよく分かりません。

(作品サイズ 18×18cm / エッチング、アクアチント、雁皮刷り)

ハゼノキノミ'

Winter Campaign

2024年iichi Winter Campagin

「ハンドメイド・クラフト・手仕事の通販iichi」の11月期間限定クーポンのお知らせです。
今年もわくわくの季節になってきました。やっぱりクリスマスのキラキラは楽しい! 最近はお正月の飾りもすてきなものがたくさんあって、この時期は色々なものが欲しくなってしまいます。飾りだけじゃなくて冬の温かいスープを入れるのに良さそうな器、暗めになりがちな冬の服に合わせたいきれいなアクセサリーや小物。たくさんの一点ものが揃うiichiでどうぞ冬のお買い物をお楽しみください。

ご利用期間
2024年11月22日(金)10:00〜12月13日(金)23:59
ご利用方法
※ iichiに会員登録されている全てのお客さま、新規会員登録されたお客さまが対象です。
※ 作品代金の10%が割引となります。送料は割引対象外です。
※クーポンを使用せずにお支払いを完了したお取引に、後から割引を適用させることはできません。
※ クーポン1度のみご利用いただけます。

Ice Skater

'harvesting'

' Ice Skating Girl② '

「スケーターズワルツにのせて、もみの木の周りを3人の子どもがスケートでくるくると回るかわいい木製のオルゴール」(2023年11月11日の記事)から、昨年 'Ice Skating Girl'と'Ice Skating Boy'の2つを作りました。3人目の女の子をやっと、今年のクリスマスに向けて作りました。

度々激しい姉妹喧嘩に巻き込まれたオルゴール。その後台所の棚に移され大切にされていたはずなのですが、台所なので今度は油がこびり付き、掃除の度に塗料が薄くなったり、脆くなった接続箇所が折れたり、本当に管理の酷さがお恥ずかしいです。アンティークやビンテージが好きで、それを大切に使っていた人たちのことに思いを馳せたりするのに、私自身はこんなに適当で、素敵なものを持っていても次の代には渡せないのだろうと悲しくなります。ということで状態が良いうちにと、ちょこちょこフリマなどで放出中です。

(作品サイズ 5.5×9cm / エッチング、アクアチント、雁皮刷り)


10月1日からの郵便料金値上げはあまりに大きく、「ゆうびん」と名乗っておきながら、私自身がDMもクリスマスカードさえも出す気力がなくなっている状態です。葉書に85円もかかるなんて厳し過ぎるし、封書の110円などもはや完全に贅沢品。とても残念ではありますが、郵便物をお送りする機会を減らさざるを得ない状態です。特にグループでの展示のお知らせはこちらのブログ、もしくはinstagram (@hanga.coya) でご覧いただけますと幸いです。クリスマスカードについては、できる限りお送りしたいと思っています。

Christmas Ornaments

'Christmas Ornaments'

昨年のクリスマス、アンティークの可愛い女の子のオーナメントをいただきました。陶製ではなく、ソフビのような感じでもなく、張り子?のような感じがします。どのくらい古いものなのか分かりませんが、とてもきれいな状態なので、どこかの誰かが大事に大切に、その季節だけに飾っていたのかなと思いを巡らせたりしています。私は大切にしまっておくのももったいなく、この一年ずっと壁にかけていました。色褪せに気を付けてこれからも大事にしたいと思います。

周りに置いたのは雪の結晶の飾りです。こうして何かと何かを組み合わせて配置したり組み立てるのが、あまり得意ではなく、これを版画にしようと思った物は、いつも中心にどんと一つで作品にします。でもこれは最初からこの組み合わせが絶対可愛い!と思いました。並べ方はずいぶん悩みましたが、うん、すごく良い。

いつもクリスマスが近付いてから、クリスマスソングを聴きながら作っていましたが、今年は珍しく早めに作り始めました。気温35℃の作業場で作っていたので私の思い出としては、暑い!です。

(作品サイズ 12×12cm / エッチング、アクアチント、雁皮刷り)

切る・磨くの改訂

'銅板を切る'

銅版画制作工程「銅の板を切る・磨く」のページを改訂しました。

画材屋さんでぴかぴかに磨かれた銅板を買える時ばかりではなくなったので、ホームセンターなどで購入し、切断と表面磨きをしています。「切る」に関しては内容は変わらず、画像を増やしました。「磨く」はこれまでピカールだけでしたが、耐水ペーパーと青棒を加えました。好みの肌質を作れるようにもっと練習したいなと思いました。

相手は金属。ついつい力を入れてしまいたくなりますが、切断も研磨も強い力でというよりは、同じ場所を繰り返し繰り返し切り込みを入れる、磨くのがコツだと思っています。銅板切断の専用道具もありますが、OLFAの特大刃カッター(25mm)が手っ取り早く、歯もどんどん変えていけるので使いやすいです。大きな版が多かったり、毎回鏡面磨きくらいにしたい場合は、車磨きなどに使われるポリッシャーやランダムサンダーを買ってしまった方が、速くて安いのではと思っています。

「僕は機械ですむことは極力利用する主義だ」ー深澤幸雄『銅版画のテクニック』より。

色々なDIY機材が手頃な価格で入手できる今は尚更。制作のお役に立てれば幸いです。

銅板を磨いたもの'

和紙に刷る

銅版画で使う和紙(アワガミファクトリー)

銅版画で使う洋紙についてのページに続いて、和紙についてのページ「和紙に刷る」を作成しました。

美濃、越前、土佐、石州...全国各地に和紙の産地がありますが、徳島県の阿波も有名な産地の一つです。その徳島で2023年に開催されたミニプリント展に出品するにあたって、色々な和紙を試していました。最終的に私が選んだのは近江の和紙だったのですが、改めて、扱いやすく、表現の幅を広げることのできる和紙について考えてみたく、版画に適した和紙をたくさん作っているアワガミファクトリーの和紙を試してみることにしました。

濃いベージュ、茶色系は他でも色々ありますが、アワガミファクトリーの版画用和紙サンプラーを並べて見た時に、洋紙で言うナチュラルホワイト系(黄味系)にほんのり緑味、グリーン感が感じられるものがあり、これがとても爽やかで美しいと思いました。これが阿波の特徴なのかは分かりませんが、他であまり見ない良い色味だと思います。
完全に緑な「北方グリーン」は、薄手なので私は雁皮紙のように刷り込んでしまうのですが、これまでにない色で、とても良い出会いとなりました。

版画で和紙というと、やはり木版画に適しているものが多い印象で、銅版画に使うのは難しいのではないかと思ってきました。細い溝に詰めたインクを刷りとるために、紙に水分を含ませ強い圧をかけるので、それ用に作られた洋紙に敵うものはないというのは、今でも変わらない感想です。でも艶という点ではやはり和紙に敵うものもなく、だからこそ私は雁皮刷りが大好きで必ず使うのですが、まだまだ試すべき和紙がたくさんあるのだと奥深さを思いました。

BFKやArcheが上品な素晴らしい色だ!!と感動した感動した騒いでいましたが、白鳳セレクトという和紙はそれと同じくらい素晴らしいと思いました。ふわふわ柔らかい見た目も、抑えた白さもきれいだなと惚れ惚れします。ただ銅版画に向いているかと言うと、私の不慣れもあるのかもしれませんが、難しいと今まだ思っています。

私がやたら高い高いと言っている輸入物の洋紙と同じように、和紙も(和紙こそ)高級品です。でも今回使用した和紙の中には手頃な価格で購入できるものもあり、これならまだまだ銅版画を続けられると思いました。ずいぶん前から和紙も存続の危機と言われていますが、和紙も版画もこれ以上先細ってしまわないように、できるだけたくさんの方が続けてくださったらと思います。私もその一人として頑張りたいと思っています。

参考
全国和紙産地マップ 全国手すき和紙連合会
紙への道「和紙について」 吉田印刷所

関連するサイト内ページ「感動の紙 (2024年4月28日の記事)」、「版画用紙×雁皮紙(2024年7月20日の記事)

銅版画を和紙に刷る