銅版画制作工程
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ノントキシック版画技法におけるアクアチントの方法をご紹介します。
塗料を吹き付けるためのエアブラシを使う方法が紹介されていることが多いのですが、なかなかエアブラシを購入できずにいたところ、スプレータイプのアクリル絵の具も同じように使えるということで、そちらをご紹介したいと思います。
・リキテックス スプレーペイント
・ダンボール
・新聞紙
(1)段ボールに新聞紙などを敷き、ブースを作ります。壁に立てかけて、版も立てかけるようにしてスプレーする方法もありますが、インクが垂れてきてあまり上手く行かなかったので、私は地面に置いて、版を寝かせるようにして上からスプレーしています。
(2)絵の具を吹き付けます。絵の具の量はどれくらいが良いのか、腐食時間はどれくらい必要かは、これまでの松ヤニを使った方法(「アクアチント」)と同じように、とにかく試していくのみです。写真4枚目はちょっと吹き付け過ぎです。(これを腐食したものが下から2番目の画像になります。)
(3)ウォーマーなどを使ってインクをよく乾かしたら、腐食します。
(4)腐食が終わったら、絵の具はアルコールで除去します。さらに3〜5度この工程を繰り返すことできれいな面が得られます。刷り方はこれまでと同じです。(「基本の刷り 前半」)
25〜30分の腐食を1回目のものと5回目のものです。まだ吹き付けが下手という問題が大きくありますので、ほんのご参考までに。スプレーから出てくる絵の具が面に着いた時の独特の形状、粒の形があるように思います。それが目立たなくなるまで、5回以上は重ねたいといった感じです。
エアブラシとメディウム(床用ワックス、アクリルメディウム、アクリルインク、アクリル乾燥遅延メディウムを混ぜたもの)を使うと、もっと細かくきれいにできるのかもしれません。松ヤニの代わりにできるまでには、私自身練習がまだまだまだ必要な技法です。
ノントキシック版画技法については下記のサイトや文献をもとにしています。
・北山銅版画室ウェブサイト
・マルニックス・エヴェラールト「もうそこまで来ている、版画の未来。」(2016)版画学会第45号
・湊七雄「ノントキシック版画技法の普及に向けたワークショップの開発」(2016) 版画学会第45号
・SHICHIO MINATO・湊七雄ウェブサイト Additional Notes「PRINTAMAKING WORKSHOP ARTIST'S GUIDE ノントキシック銅版画への誘い」追記事項