和紙に刷る

徳島県で作られている阿波和紙(アワガミファクトリー)で版画に適している紙として紹介されている和紙についてのページです。価格の例は2024年8月現在の税込価格です。
特徴はアワガミファクトリーオンラインストアの説明書から引用させていただきました。私自身が使用したことのあるものについては、その色味などについて書き加えています。リンクを貼っていますので、それぞれのページでご確認いただければと思います。

このページに載せたものの中でも特に銅版画に適していると紹介されているのが、北方セレクト、竹和紙セレクト、白峰セレクトです。普段ハーネミューレなどの版画洋紙を使っている私には、一番厚みのある白鳳セレクト扱いやすいかと思っていたのですが、腐食時間が長いものはあまり向かないように思いました。落ち着いた白の色味と、見るからに柔らかい肌質はとても魅力的です。

北方や北方グリーンは薄いため、雁皮紙のように刷り込むことができ、特に北方グリーンの他にない独特な色(画像では少し緑が薄くなっています)がとても気に入っています。白峰セレクトやおかわらセレクトにも、微かでほんのりした美しい緑味が感じられるのですが、これがとても美しいです。m²あたりの価格で計算すると、洋紙とそこまで変わらず高級品ではありますが、作品ごとに使い分けると面白いと思いました。

アワガミファクトリー版画用和紙サンプラー

白峰セレクト

・特徴:適度な厚みと自然な柔らかい色目から、種々の用途に使いやすい素材のひとつ。版画では版種全般、ドローイングなど幅広い用途に。にじみ止めなし。
・原料:木材パルプ、楮、マニラ麻
・重量:110g/m²
・サイズの種類:520×430mm
・価格;520×430mm ¥2,310(5枚)

・感想:版画用洋紙ハーネミューレ5761のナチュラルホワイトよりは黄味が抑えめで、ほんの少しグリーン味が感じられる、爽やかできれいな和紙。110g/m²と少し薄め。薄い紙を扱い慣れていないので、水で湿らせるのに少し手間取りました。

ー参照 白峰セレクト|アワガミファクトリーオンラインストア

白峰セレクト

白鳳セレクト

・特徴:楮とコットンの繊維の特徴を最大限に活かし、表面強度、にじみ止めを強めに仕上げた和紙。ラフな面質を特徴とし、嵩高さも加わり表現に奥行きを持たせることができる。
・原料:木材パルプ、楮、マニラ麻
・重量:220g/m²
・サイズの種類:520×430mm
・価格;520×430mm ¥3,850(5枚)

・感想:版画用洋紙ハーネミューレ5745ホワイトより落ち着いていると思っていたBFKより更に落ち着いた白。目にみえる表面の質感はふわふわと柔らかそうで、他にはない品のある白系の紙だと思いました。

ー参照 白鳳セレクト|アワガミファクトリーオンラインストア

白鳳セレクト

竹和紙セレクト

・特徴:環境にやさしい竹を主原料にすることで、エコロジーに意識の高い素材に仕上げた和紙。きめ細かくしなやかで柔軟性のある風合いが特徴。細かい線の摺り取りや印圧も美しく、リトグラフ、銅版画、シルクスクリーン、活版印刷に最適の和紙。にじみ止め強い。
・原料:竹、再生パルプ
・重量:170g/m²
・サイズの種類:520×430mm
・価格;520×430mm ¥2,750(5枚)

・感想:表面は凹凸感がなく、きれいなフラット感は、洋紙の中で一番つるつるしていると思っていたいづみNより更につるつるしていると感じました。色は白鳳セレクトと近いと思います。

ー参照 竹和紙セレクト|アワガミファクトリーオンラインストア

竹和紙セレクト

北方グリーン

・特徴:繊維が短く三椏に似た光沢のあるフィリピン雁皮(Fillipino gampi)を用いることで、紙の密度が高く滑らかに仕上がり、柔らかで自然なにじみが感じられる。銅版画やリトグラフに適している。
・原料:フィリピン雁皮、木材パルプ
・重量:36g/m²
・サイズの種類:520×430mm、940×640mm、10mロール
・価格;960×640mm ¥770

・感想:画像よりもう少ししっかりグリーンです。雁皮刷りと同じように刷り込むようにして使うと扱いやすく、また色味もとても面白くてきれいです。特にハーネミューレ5761ナチュラルホワイトと合わせると今までなかった雰囲気が出せると思いました。

北方グリーン|アワガミファクトリー

北方グリーン

北方

・特徴:繊維が短く、三椏に似た光沢のあるフィリピン雁皮(Fillipino gampi)が主原料。滑らかな肌合いと柔らかな表情が感じられる。優しい生成り色。
・原料:フィリピン雁皮、木材パルプ
・重量:36g/m²
・サイズの種類:520×430mm、940×640mm、10mロール
・価格;960×640mm ¥1,650(5枚)

・感想:北方グリーンと同じような使い方で、濃い目のベージュを被せたい時に使いたいと思いました。

北方|アワガミファクトリー

北方

北方セレクト

・特徴:繊維が短く三椏に似た光沢のあるフィリピン雁皮(Fillipino gampi)を用いることで、紙の密度が高く滑らかに仕上がり、柔らかで自然なにじみが感じられる。銅版画やリトグラフに適している。
・原料:フィリピン雁皮、木材パルプ
・重量:90g/m²
・サイズの種類:520×430mm
・価格;960×640mm ¥2,750(5枚)

・感想:表面の柔らかな艶感がきれいです。単独で使うには薄く、刷り込むには少し厚いことと、色が強いためまだ自分の作品に合ったものとして使えていません。

北方セレクト|アワガミファクトリー

北方セレクト

文庫セレクト

・特徴:やや深めの自然な色目としなやかさを特徴とし、オーソドックスな質感。柔らかい滲みは版画のほか書画にも向いている。エディショニングペーパーの「文庫セレクト」シリーズは、原料配合は同じですが「文庫」とは別の商品。 抄造方法が異なるため、原料は同じですが「文庫セレクト」と「文庫」ではやや仕上がり感に差がある。
・原料:木材パルプ、楮
・重量:70g/m²
・サイズの種類:980×650mm
・価格;960×640mm ¥660

・感想:こちらも北方セレクトと同じく、なかなか上手く使えていませんが、北方セレクトより色が薄いので合わせやすいかなと思っています。

文庫セレクト|アワガミファクトリー

文庫セレクト

おかわらセレクト

・特徴:自然な色目と柔らかさを特徴とし、オーソドックスな質感。適度な滲み止めも施してあり、初心者でも使いやすい素材のひとつ。
・原料:楮、木材パルプ
・重量:51g/m²
・サイズの種類:520×430mm
・価格;960×640mm ¥1,815(5枚)

・感想:黄味の奥にほんのり緑を感じるような、白峰セレクトと似た雰囲気を感じますが、白峰セレクトよりは落ち着いた色合いです。これも刷り込んで使うのが良いように思っています。(画像ではピンクっぽくなってしまっています。リンク先をご覧ください。)

オカワラセレクト|アワガミファクトリー

おかわらセレクト

和紙を使う時の湿らせ方

銅版画を刷る際は必ず事前に紙を湿らせます。洋紙については銅版画制作工程 「基本の刷り 前半」でご紹介しているように、水をくぐらせたり刷毛を使って湿らせた後、ビニールに包んで重しをして30分から一晩湿らせます。
和紙については、薄手のものであれば刷る直前に霧吹きや刷毛を使って湿らせるくらいで私はやっていますが、もっと和紙の良さを引き出せる方法があるのだろうなと思ったりしています。
下の図は、主に和紙が使われる木版画の技法書に載っていた和紙の湿らせ方です。

和紙の湿らせ方

参考
全国和紙産地マップ 全国手すき和紙連合会
紙への道「和紙について」 吉田印刷所
紙の表裏・上下 日本製墨書遊

紙司柿本 オンラインショップ
手すき和紙専門「小津和紙」 オンラインショップ
日本橋 榛原 オンラインショップ
手漉き和紙と世界の紙 紙の温度株式会社 オンラインショップ