木の模様

sun hat#3

これは!
見た瞬間に嬉しくなるような、木の良さたっぷりの面白いすてきな額を見つけました。二度とない、現品限り。一点物の面白さ。ちょうど先日作ったブルーベリー、木になる実がぴったりなのではと、早速入れてみました。

今年も夏の帽子

sun hat#3

' sun hat#3'
やっぱり夏の帽子は魅力的。2021年、2022年に続いて今年も作りました。(2022年8月17日の記事)
薄暗いカフェのソファに無造作に折られて置かれたクロシェハット。
'crochet'=「かぎ針編み」の帽子と認識していたけど、'cloche'=「釣鐘」の形をした帽子という種類もあるそうで、ツバを下げれば釣鐘っぽくなる私のこの帽子はどちらの意図で作られたものなのか。カタカナで書いてしまうとどちらとも取れてしまうのが何だか面白い(もしかしたら表記が違ったりするのかもしれない)。でもこれはこの編み目がきれいで特徴的な帽子、作る時もそこを意識したので、これは 'crochet hat' なのだという結論に至りました。
最初、「クロシェハット」という響きが気に入って、サブタイトルに入れようかなと考えていたので、このように帽子について少し調べることができました。

夏の間はこれをサイトトップページに飾っておきたいと思います。季節を感じるものっていいなと最近特に思います。下の写真は暑中見舞いとして印刷したものです。

2023年暑中見舞い

飛び込みたいプール

デイヴィッドホックニー展

今年この展覧会だけは絶対に行く!と楽しみにしていたデイヴィッド・ホックニー展。東京都現代美術館に行きました。初めてホックニーを見たのは7年前、町田版画美術館で開催されていた「デイヴィッド・ホックニー版画展」でした。今回のような大規模な展覧会になると版画は少ないかなと思っていましたが、銅版画もリトグラフもたくさん見ることができました。(どうしても興味は版画ばかり...。

描かれたものを食べたいとか、その風景に暮らしたいとか、描かれた動物に触りたいとか、そう感じずにいられない絵が好きなのですが、そうしたものの中でも更に、もうその絵の中にいる、絵の中の空間と自分との境目がなくなる強烈な体験をさせてくれる作品があります。視覚から耳や手や鼻や舌に一気に広がる瞬間。私はホックニーの水の絵を見ると、一瞬にしてそこに飛び込んだように、体が浮かぶ感じや、生温い水の温度を感じ、海や川の水と違う人工的な場所にある水の匂いを嗅ぎ、潜った時の掴みどころない音を聞きます。とても愉快な感覚です。

そういうわけで、どうしてもこれを暑い暑い日に見たい!と真夏日に出かけました。さすがに危険な暑さなので陰の多い時間帯に。まだまだ会期があるので、もう一度行けたらなと思います。おすすめのすてきな展覧会です。

デイヴィッド・ホックニー展
日時:2023年7月15日(土)〜11月5日(日)10:00〜18:00(月曜休館)
場所:東京都現代美術館
観覧料:一般2300円

夏の実の版画ゆうびん

blueberry(2023年夏の実の版画ゆうびん)

'blueberry'
小粒ながら大豊作のブルーベリー。お茶碗1、2杯分をそのままどかっとヨーグルトにかけて食べる贅沢な朝はこの時期ならではで、毎年楽しみな季節です。
春の 'グミの実' と同じように一部分に色インクを使いたくなり、ブルーベリーを黒寄りの深い青、一粒だけもう少し明るい青色にしました。'グミの実' は雁皮刷りをするとものすごく違和感があってやめたのですが、今回は雁皮紙がない方がはっきりと違和感があり、その違いが何なのか不思議です。ほぼ違いは分からないようなものなのに。

細々と刺し子を続けています。一番右側の細かーいのは大好きな文様「銭形」。大きな布に刺し始めたらあまりに途方もない作業になってしまい、途中で飽きたりほったらかしたりで完成まで半年以上かかってしまいました。でも出来上がるときれい。壮観。その横にある輪違い麻の葉という図柄も大好きで、何枚かストックして色々な色の糸で刺そうと思っています。

ブルーベリー
刺し子

summer campaign

iichiサマーキャンペーン2023

「ハンドメイド・クラフト・手仕事の通販iichi」のサマーキャンペーン2023が始まりました。
6月26日(月)〜7月17日(月)までの期間、iichiでのお買い物が10%割引(割引上限額1000円)になるクーポンをご利用いただけます。今月からアンティーク、ヴィンテージ商品の販売も始まり、古い物好きとしては楽しみが増えました。キャンペーン期間が長いのでじっくり悩めます。この機会にぜひご覧ください。

すっかりお知らせが遅くなってしまいましたが、作品一覧ページと別に「小さい版画」のページを作りました。2019年冬から年4〜5点制作してきた版画ゆうびんを掲載しています。こちらもご覧いただけたら嬉しいです。

小さい版画一覧

春の実の版画ゆうびん

グミの実(版画ゆうびん)
グミの実(ミニ額)

' グミの実 '
別名 'silverberry'。これはまた何と素晴らしい名前だろう!葉っぱの裏が銀色だから?確かな由来は分かりませんが、そうとしか思えず、葉っぱの部分を銀色インク、実の部分は黒インクの多色刷りにしました。
版画ゆうびんと同時に、先日壊れてしまって直していた額がこの版画にぴったりだったので、入れてみました。写真はかなり暗くしてしまいましたが、もう少しグレーの額(サイズ:8.9cm x 8.9cm x 奥行き2.8cm)です。また近々iichiに掲載したいと思います。
英名もすごく良いけど、「グミ」という響きも好きで、迷いに迷ってタイトルは日本語にしました。ちなみに'goldenberry' は黄色い食用ほうづきだそうです。

こういう赤い酸っぱい系の実が大好きで、小さい頃から道端で摘んだりもいだりして食べていました。今考えると衛生的にどうだったんだろうとは思いますが...。このグミの実とくわの実が特に好きです。

昨年買ったオタフクアジサイ、今年は更にたくさん咲きました。ポップコーンとも呼ばれていて、開き切る少し前の状態は特に、その感じがとてもよく分かります。本当にかわいい紫陽花です。

グミの実
おたふく紫陽花

小さい版画小さい額

小さい額
小さい額

一点物なので気に入った物が手に入るまでなかなか増やせない小さい額シリーズ。今回額に入れたのは、'hydrangea' (2022年梅雨の季節の版画ゆうびん/ 額のサイズ9.8cm × 9.8cm x 奥行2.8cm)、'stitches' (2022年秋の夜長の版画ゆうびん/ 額のサイズ13.2cm × 13.2cm x 奥行3.3cm)、'Jogakbo①' (2023年春の版画ゆうびん/ 額のサイズ15.3cm × 15.3cm x 奥行1.9cm)です。もう一つグレーのかわいい額もあるのですが、金具がへし折れてしまい修理しています。なんとか直して追加したいと思います。「ハンドメイド・クラフト・手仕事の通販iichi」に掲載しています。

15年とかもっと前に妹にもらったJHANE BARNESのフォトアルバム。もったいなくて、ビニールのまま大事にしまい込んでいました。版画ゆうびんのための小さい版画を保管しておくのにちょうど良いのではと思い付き、開けてみました。1ページ1ページに薄手の白い紙が挟まっていてきれいな作り。ここに貼っていこうと思います。

小さい版画アルバム
小さい版画アルバム

balcony

balcony

2018年に初めて作った 'balcony' から、2021年にどどどと連作を作り、今年2023年また4点追加しました。冬のbalconyが一番きれいな陽の入り方をするので、すべて冬の様子です。今年の4点にはJogakboが入っています。

長く気に入って使っている額があるのですが、昨年から材料不足による欠品が続いていました。廃盤になってしまうかもしれない、他の額を探さなきゃ、これと同じくらい良いと思える色がない...と思っていたら入荷の知らせ!次回個展の分は確保できて、ほんとーーに安心しました。これから廃盤にならないとは限らないので、引き続き額も探していこうと思います。
3月にカメラを変えてから、やたら青み緑みが付いてしまうクセ強写真にしかならず結構困っています。


2023.05.28 額装写真3枚追加しました。
'balcony#5' (絵のサイズ9x9cm・額サイズ25角・エッチング、アクアチント、雁皮刷り)
'balcony#6' 'balcony#7' 'balcony#8' (絵のサイズ18x18cm・額サイズ40角・エッチング、アクアチント、雁皮刷り)

balcony#5額装
balcony#6額装
balcony#7額装
balcony#8額装


道工房銅版画展

道工房銅版画展

お知らせするのが遅くなってしまい、会期始まってしまいました。ごめんなさい。
講師をさせていただいている道工房の銅版画展が今年も開催されています。2022年4月から2023年4月までに制作された40点近い作品が展示されています。銅版画の時間は月に一回、2時間から4時間のとても限られた時間なのですが、その中でこれだけのものが出来上がる、しかも一作品一作品着実に技が積み重ねられていくというのは、ものすごいことだと思います。

特に私がいつも見入ってしまうのは、インクの拭き取りの工程、インクの油分の最適な残し方です。ただ拭き取るのではなく、描くように寒冷紗を動かし、美しいグレーの膜を残したりかけたりして完成した作品は、毎回どれも新鮮にとても美しいのです。
何百枚と刷って習得していくものと思っていましたが、普段から様々な技法、日本画パステル画、油彩画水彩画、そして習字までを鍛錬されているからこそ、あっという間に体得して実践できてしまうのだろうと思います。ぜひ実物を見ていただけたらと思います。段葛や八幡宮の新緑の美しい季節。鎌倉へどうぞお出掛けください。

道工房銅版画展
会期:2023年5月11日(木)〜5月30日(火)12:00-16:00(水曜休廊)
場所:道ギャラリー(鎌倉市雪ノ下1-9-24 小池ビル1F)
アクセス:JR鎌倉駅東口から徒歩8分
道工房 http://kamakura-michi.com

科学で検証

科学で検証!「銅版画制作の疑問」

ノントキシック版画技法についてのページで参考にさせていただいている福井大学の湊七雄先生が新しい本を出版されたと聞き、早速読んでいます。なんとダウンロード、プリントアウト自由。

SHICHIO MINATO・湊七雄 PUBLICATION
科学で検証!銅版画制作の疑問(パイロット版)湊七雄・大矢雅章・西村文宏
「21の疑問から、自分の「知ってるつもり」を再確認。
ー銅版画制作に使う材料の特徴をはじめ、身体や環境に与える具体的な危険性について、科学的根拠に基づき正しく理解できます。科学リテラシーを高めることで、安全かつ再現性のある制作が可能となります。」

こうやるものだろうと流れで行ってきた作業。特に腐食。腐食した後に醤油をかける理由、中和剤(重曹)の役割。ものすごくふんわり、分かったような分からないような理解とも言えないような状態でいましたが、この本を読むとクリアに理解することができます。理屈が分かっているのはとても大事。
制作工程の各ページでふにゃふにゃもよもよ書いていた部分を、この本をもとに改訂していきたいと思います。

春の版画ゆうびん

Jogakbo1
Jogakbo2

'Jogakbo1' , ' Jogakbo 2 ' (ディープエッチング、雁皮刷り)
引き続きJogakbo。腐食の方法を変えて、使う雁皮紙を変えて、2種類作りました。他にもこんなデザイン良いな考えているものがまだまだあるので、変化をつけながら、いくつか作ってみたいなと思っています。
色々調べていると、まったく知らなかった世界に面白いことが本当にたくさんあって、ワクワクします。Jogakboについて本から少し引用させていただきます。

「現在風呂敷文化が残っている国はトルコ、日本、韓国程度。その中でも捨てる布切れを利用したジョガッボは韓国だけの独特のボジャギだ。これは韓国の衣服形態と深い関連がある。トルコと日本、中国とは違って韓国の衣服である韓服は円形、楕円形など曲線の裁断が利用される。曲線を裁つと必然的に切れ端が残る。各家庭で衣服を作って残った切れ端を大切に集めてジョガッボを作ることになったのだ。これがジョガッボの誕生秘話であり、韓国だけで唯一ジョガッボが出現することになった理由である。」
AIM Issue.14 BOJAGI

Jogakbo

Pojagi
Jogakbo#3

一昨年の夏に出会ったこの涼しげで美しい布物。
'Jogakbo'(チョガッポ(チョガッ=端切れ・ポ=布))という韓国の伝統的なパッチワークです。日本で言う風呂敷のような、包むための布 'Pojagi(もしくはBojagi ポジャギ・ボジャギ)' によく使われている技法の一つです。ハングルが少しでも分かったら、もっと調べたりできるだろうに。

暑さに弱りながら何かすてきな日除けになる布物はないか探していたところ、雑貨屋さんのサイトで見つけました。とても手間のかかる物。実際に作ることを考えたら、それでも安いものばかりですが、その時すぐには買えませんでした。一年かけてやっと一つ手に入れることができ、冬もカーテンとして窓にかけ、日々うっとり眺めています。

自分でも作ってみていますが、なかなかに大変で全然進んでいません。こんなのがいいなという形ばかり浮かんで、それが布になるより先に銅版画になりました。版画じゃなくて布で作れば良いじゃんと思ったりするのですが、好きなものは版画にしたい版画大好き人間なので仕方ないです。少し新しい技法なんかも入れたりしながら作っています。

現在トップページの最初に載せている作品 'balcony#6' の左側のモチーフは、私の宝物のJogakboです。

Jogakbo#1#2