秋の版画ゆうびん

2021年秋の版画ゆうびん

'knit'
編み物は私の憧れです。縫ったり組んだり見よう見まねでガタガタながら形にできるけど、編み物だけはどんなに頑張っても絶対にできません。一段目も怪しいくらいできません。作りたい気持ちだけはあって、この時期特に本屋さんで編み物の本を見てしまいます。
版画ゆうびんシリーズでは初めて雁皮刷りで仕上げました。暖かい感じが出せたらと、黄味強め厚めの紙を使っています。

個展終わりました

2021年個展
2021年個展

10月14日から始まった個展が無事に終わりました。たくさんの方にご来場いただきありがとうございました。
今回この個展を開催してくださった道工房のみなさま、素晴らしい展示をしてくださった宍戸さん。心から感謝申し上げます。

自分の作品にずらっと囲まれて過ごす時間を楽しいと感じたことが、今回とても新鮮でした。開催が決まって新作を増やそう!と意気込んだものの、間に合わない!と焦り半泣きで作ったり(実際1点間に合わず)していましたが、作っている時間が本当に楽しく、そうやってできたものって良いなぁと思いました。一つ目指していたものが実現できたような気がします。

2021年個展
2021年個展
2021年個展
2021年個展

始まった日は夏日、翌日から急激に寒くなって、冷たい雨も降り、その週末はコートを着てギャラリーに向かいました。季節の変わり目の真っ只中、2回目の週末は、静かなビルを出るときれいな青、と言っても秋の青の空が広がっていました。在廊が終わる夕方の景色がまた美しくて、週末は八幡宮に寄って帰ったり、久しぶりに鎌倉を満喫しました。やっぱり楽しい場所です。またこの場所で個展をできたらと思っています。

搬入

個展搬入

動きをつけた素敵な展示にしていただきました。
作る手元でしか見ていない作品と、ギャラリー空間に並んだ作品とまるで別物。前回の個展から7年も開いてしまい、すっかり忘れていた緊張と興奮、ワクワクと、また次の作品への力と、色んなものが身体中に湧き上がり溢れてきます。まずはここまで来られたことに一安心。自分の作品と対峙できるこの時間を大切に過ごしていきたいです。

個展のお知らせ

'個展2021DM'

4月から月一回銅版画の講師をさせていただいている道工房さんに声をかけていただき、久しぶりの個展をすることになりました。
期間:10月14日(木)〜26日(火)12:00〜16:00(水曜休廊)
場所:道ギャラリー(鎌倉市雪の下1-9-24小池ビル1F)
アクセス:JR鎌倉駅下車徒歩8分。若宮大路沿いにある小池ビルのエントランスを入って、突き当たり左手にあります。

新作と少し昔の作品合わせて17点の銅版画を展示予定です。版画ゆうびん8種も置いています。在廊日はまだはっきり決まっていませんが、週末はいると思います。
まだ完全に安心して出掛けられるようになったわけではありませんし、行楽の秋にぴったりの地ということで人手も多くなっていますので、是非いらして下さいとは言いにくいのですが...この機会に道ギャラリーという素敵なギャラリーがあることはお伝えしたいと思います。いつか安心して遊びに来られるようになった際には、所属アーティストのみなさんの作品をご覧になってください。多分春、年度末頃、銅版画作品ばかりを集めた展示があると思います。私もまた頑張って制作していきます。

道工房 http://kamakura-michi.com

雁皮探し

雁皮紙

何年か前から欠かせなくなった雁皮刷り。(制作工程「雁皮刷り」
薄くて光沢があって美しい雁皮紙。画材屋さんに「雁皮紙」として置いてあるものを買っていましたが、いつの間にか姿を消していました。最近自分が使っていたものが生産中止とか販売中止になることが多くて、今のうちに買いだめしておいた方が良いのか悩みます。
他を探そうとして愕然としたのは、今まで使っていた紙の産地も厚み重さも何も知らなかったということ。強烈に恥ずかしい。

何でも良いんじゃなくて探してみよう。おすすめしていただいていたお店はまた安心して外出できるようになってからにするとして、オンラインで注文できるお店を探していると、「紙司柿本」さんに辿り着きました。京都に行った時一度入ったことがあるような...違ったかな。

継続して使っていける価格の範囲で4種類の雁皮紙を購入し刷り比べ。紙だけ並べてみた時は重そうだな〜と思っていたもの(商品名「雁皮紙18g」)がすごくきれい!未晒より色は濃くはっきり生成りというか薄茶色くらいのインパクトがあるので作品は選びそうだけど、これじゃなきゃっていう作品はある。

以前使っていたものに近く、広く使えそうな紙も一つ絞って、当面2種類を使い分けていくことに決めたら、ものすごく楽しくなってきました。
版画の実物を見ても和紙が挟まってるかどうか分からないくらいの微かなもので、何とか写真に収めようと思ったらえらい暗くなってしまいました。一応載せておきます...もうちょっと見栄えよくできたら雁皮刷りのページにも載せたいと思います。

銅版画雁皮紙なし
銅版画雁皮紙機械漉き
銅版画雁皮紙高知純未晒し
銅版画雁皮紙18g

それから長らくお待たせしていました制作工程「アクアチント」「ディープエッチング」ができました。何かの参考になれば嬉しいです。

暑中お見舞い

'2021年暑中お見舞い'

夏だなー!な空。
毎年残暑見舞いにギリギリ間に合うかどうかの時期まで出来上がらない葉書が、今年はこんなに早く完成して自分でびっくり。かもめーるって廃止になったんですね。
麦わら帽子のようなラフィアでできた帽子。夏にかぶる帽子を 'sun hat' と言うらしいと知って、その響きにわくわくし、迷わずタイトルにしました。実物は18cm x 18cmでいつもより少し大きめの作品です。

散歩

'Hula dolls'
'Hula dolls'

新作を大量に作っています。
日々色々なことが目まぐるしく起こりすぎて目が回りそうなので、そんな時は原っぱなどを散歩していました。雨上がりのじめじめした原っぱに光が差し込んで、草がきらきら光る時間帯を発見。草が刈られてしまう前に少しだけ撮ることができました。

色々な線と面サンプル

'銅版画線と面サンプル'
'銅版画線と面サンプル'

制作行程のページで色々な技法をご紹介していますが、一枚の版に並べたら技法の違いをより分かりやすくお見せできるのではないかと作ってみました。
ご興味ありましたら、「色々な線と面」のページをご覧ください。
実際に版を触れる機会がありましたら、ぜひ腐食された部分の深さの違いや、使う道具によって異なる線の柔らかさ硬さを見ていただきたいなと思います。(下の写真のワンピースと靴の部分は70分腐食して作った面。かなり深くなっています。)

私は本当に銅版画偏愛なもので、ニードル一本エッチング一本で作っていく人への憧れがありながらも、これを絵にしようと思った時にそれにぴったりの技法を探すのも大好きなのです。技法に溺れるなという言葉に刺されたこともありましたが、泳げるようになれば良いだけの話と今は思っています(ちょっとよく分からない...)。

春の版画ゆうびん

''lace curtains''

'lace cartains'
3月に送った版画ゆうびん。陽射しが冬より少し鋭くなってレースのカーテンの影が強くなった春の窓辺。
更新するのが遅くなってしまい、すっかり春を通り越して初夏の入り口。陽射しがあってもジリジリせず空気がとんでもなく爽やかな最高の天気は4月下旬から5月上旬のほんの少しだけ。
もう何日か何週間かして湿度が出てきたら、初夏、夏の版画ゆうびんを作り始めようと思っています。

手作り道具

手作り道具

私が唯一自作する道具です。
本を読んでいるとニードルやビュランを自作する話がよく出てきます。金属物を作るってどういうことなんだろう。ちなみに私は今でも初めて銅版画を教えていただいたときにもらった生徒用の短いニードルを使っています。
刷る時に使う人絹がなかなか上手く扱えず編み出した布の塊。(ご興味ある方は、銅版画製作工程「銅版画を刷る 基本の刷り後半」をご覧ください。)使い終わった人絹を重ねてぐるぐる巻きにしています。

毎回新鮮に作り方を忘れるので、その時々によって固くなったり柔らかくなったり、たまたま色々なバージョンができています。大きな版用にと布を大量に詰めたものは手に馴染まず使わないまま。今回のは結構使えそう。縫い目が餃子のようなアップルパイのような形になりました。

発祥の地

水張りテープ
水張りテープ

毎年楽しみにしていて、去年は途中で中止になってしまって見に行けなかった鎌倉国宝館のひな人形展。今年は行けました。いつもその流れで行っている牡丹園はしばらく休園。

水張りテープ

我が家の飾りに今年は三人官女と左大臣右大臣も出しました。誰に何を持たせたら良いのか分からず、何となくの手の形を見ながらやってみたけど、骨董屋さんでばらばらに買ったものなのかな、全然合わなかったしながら何とかして支えてもらって飾っています。