自家製グランド

小屋
自家製グランド

色々面白い材料を使いながら、ノントキシック(非毒性)版画技法のページを追加しました。ぐつぐつ煮ているのは、自家製ソフトグランド。蜜蝋とラードと松ヤニと油性インクが入っています。(制作工程 ノントキシック版画技法「ソフトグランドエッチング」
何度も言ってしまいますが、古典的一般的に使われてきた物と比べれば有害性はかなり低いけど、無害なわけではないです。これも煮ている間は、まあまあな匂いがします。そうは言っても、有機溶剤がないと空気が違います。冬の澄んだ空気を吸うことができます。

これまでの方法の代替であって、単なる代替ではない新しい技法でもあり、今まで使っていた方法もこうして蓄積されてきたのだろうと感じます。今すごいのは、インターネット上ですぐに新しい情報を、考案者から得られること。本当に有難いことだなと思います。
木版画で教わったことが応用できたり、たまたまぼーっと見ていたまったく関係のない動画がヒントになったり、無意識に積み重ねられたものが結び付いた時のきらめきのようなものが、私の生きてる喜びなんだろうなと思います。

新しいページ

'Safer Printmaking'

サイトの改訂をしており、言葉のつながりがおかしかったり、制作工程で不思議なことを言っていたりして、少々ご迷惑をおかけしております。

予定していた制作工程項目の最後、「リフトグランドエッチング」を掲載しました。追記修正はこれからもしていきます。何かの参考になれば幸いです。
古典的技法ではこの他にメゾチント、エングレーヴィングがありますが、解説できるほど習得していないので、今のところ掲載の予定はありません。本当はこれらの技法もやっていきたいのですが、「ノントキシック(Nontoxic=非毒性)版画」や紙を使った版画をまとめたいと思っていたので、これからしばらくこちらの項目を作っていく予定です。
手始めに2つほどページを公開しました。ノントキシック版画を研究されている先生方の著書などを参考にまとめた「Safer Printmaking -より安全な版画」と、その最初の工程「酸化膜の除去・脱脂」です。

「ノントキシック版画」というものを教えてくださったおさのさんに改めてまたまた感謝です。

お正月飾り

'Shimenawa Wreath'
しめ縄飾り

'Shimenawa Wreath'

昨年末、初めてお正月の版画を作りました。
しめ縄飾りはただの習慣としてだけで、そのデザインが好きかどうか考えたことがありませんでした。すてきなものを飾ってそれを版画にしたいな〜と思い立ち探してみると、沢山の種類が売られていることにびっくり。でも意外とこれ!と思うものに出会えずにいました。

自分で作ればいいんじゃない?ということで、しめ縄飾りのキットを購入。藁を編みました。初挑戦はあまり上手くできず。今年の年末は絶対もっときれいに作る!次回に向けての気合いが今から入っています。
このすてきなキットは「糸島くらし×ここのき」さんで購入しました。とてもおしゃれなショップです。

shop・hangacoya

オンラインショップ「hangacoya」
iichi500円クーポン

新しくオンラインショップ「hangacoya」をオープンしました。版画ゆうびん、版画作品(額装、シート)を販売しています。こちらのサイトでご紹介していても商品として載っていないものなど、これから少しずつ増やしていきたいと思います。リクエストいただけましたらご用意いたします。(過去の作品で販売ができないものもあります。ご了承ください。)

引き続き「ハンドメイド・クラフト作品・手仕事品の通販 iichi」でも販売させていただいています。会員登録が必要になりますが、クーポンのプレゼントやセールがあります。1月は11日(水)限定のお年玉クーポンが発行されます。どうぞご利用ください。

メリークリスマス

'Reindeer Christmas Wreath'
2022年クリスマスカード

'Reindeer Christmas Wreath'

トナカイのいるリース。シンプルで落ち着いた雰囲気のリース。いただいてから一度もしまうことなく、一年中かけています。季節が過ぎても、好きなのでそのままずっと飾っています。
今年のクリスマスには間に合わないだろうと思っていたのもあって、クリスマス+年始ご挨拶カードはボタンの絵で発送しました。リースもカードにしてみたらなかなか良くできたので、来年のクリスマスカードの候補にしたいと思います。時間が経つと興味がとても薄くなる性質があるので、一年後まで残っているか怪しいですが...。

年末年始は恒例怒涛の刷り120枚を予定。和紙を切り、雁皮紙を切り、水張りテープを切り、吸取紙を切り...材料準備を少しずつ。ハードですが幸せだなと思います。

ちょっと特別な版画ゆうびん

'Reindeer Christmas Wreath'
iichi500円クーポン

'gift'

2017年のクリスマスに贈るカードのために作った'gifts'。自分が思っているより気に入っているようで、ちょっとしたテストプレートなどで繰り返し作っていました。その割に版画ゆうびんにしていなかったので、改めて作ることにしました。いつもよりかなり小さい3.5cm角です。

2017年のものはリボンの部分がアクアチントで箱の部分がディープエッチングでしたが、今回はリボンもディープエッチングにしました。腐食液の気分で何か少し模様のようなものができたのですが...写真では分かりにくいですね。また大きな版に並べたものも作りたくなりました。

iichi500円クーポン

針山

刺子のピンクッション
刺子(銭形)

版画ゆうびんより大きなサイズの版でも 'stitches' を作ってみようと、縫いながら「縫い目」や「縫う」について考えています。
友達や今年お世話になった方にカードと一緒に刺し子のピンクッションを送ろうと思い立ち作り始めたところ、何だかすごく増えてしまいました。ピンクッションってそんなに誰でも使うものでもなかったかな。

銭形という図案が気に入って、金茶という名前の色の糸で刺しました。そろそろ版画になってくる気がします。

秋の夜長の版画ゆうびん

'版画ゆうびん'stitches'
版画ゆうびん'stitches'

'stitches'

座布団にあるお気に入りの縫い目。その一針をどんな風に版画にしようか考えていました。先日雑貨屋さんできれいな刺し子のコースターを見つけ、刺し子って何てきれいなのだろう!刺し子のように針の目を並べてみよう!と思い立ち、この版画ができました。ディープエッチングで長時間腐食しているので、近くで見るとインクの部分がわずかに盛り上がっていて、よりステッチらしくできたように思います。

版画にするならその前に自分でも刺してみようと刺し子を始めました。麻の葉や七宝つなぎのような伝統柄しか知らなかったのですが、一目刺しやくぐり刺しも面白く、すっかり楽しんでいます。
日に日に長くなる夜に静かに縫い物をするような時間に憧れるのですが、実際はとんでもなく早寝でとてもとても無理なので、秋の夜への憧れやら想いやらも込めながらの制作でした。

刺子

今年の夏の帽子

'sun hat#2'

去年の夏、ラフィアでできた帽子の版画を作りました。まだ新しくて形のきれいな帽子でした。(2021年7月19日の記事)

先月。目に突き刺さる日差しによろけながらドアを開けると、暗くひっそりひんやりしている玄関の壁に、使い込んだラフィアの帽子がかかっていました。
明る過ぎる屋外から入ってきたせいで余計に暗く見える室内に浮かび上がる帽子を見て、なんてすてきな夏の景色なんだろう!と、版画にすることにしました。
帽子の持ち主がこれをかぶって歩いてきた風景も見えるような、その持ち主が今この建物の涼しい場所で冷たいお茶を飲んでいる風景も感じるような、この夏一番感動した瞬間でした。

' sun hat #2 '。こちらも和紙に更に雁皮刷りをしています。

夏の版画ゆうびん

2022年夏の版画ゆうびん('bottles')
2022年夏の版画ゆうびん('bottles')

'bottles'

暑くなると透き通ったガラスをモチーフにしたくなるようで、一昨年の夏はカットガラスの ' salt shaker '(2020年8月2日の記事)を作りました。今年は香水が入っていた小瓶を版画にしました。昔々、香水作家さんが作ったものを、おさのさんがプレゼントしてくれました。

香水やネイルが好きで、そうした小瓶は大切なインテリアでした。最近は香水もネイルも付けなくなってしまったので棚の奥に眠らせてしまっていますが、まだまだ版画にしたい瓶が色々あります。
ボタンの絵あたりから同じ形のものを並べるのが楽しくなっているので、瓶もまた増やせたらいいなと思っています。

和紙に刷る

'ballet shoes'
和紙のサンプル

何のきっかけだったか、10年くらい前和紙に刷ることに興味を持ち、試してみるものの、やっぱりいつも使っている洋紙に戻ってくる...を何度も繰り返してきました。版画紙として販売されている和紙や楮紙のサンプルなどをもう一度見直し、ようやく一つの和紙に辿り着きました。
以前買ったサンプルの中には廃盤になってしまったものもあり、今回選んだ和紙もいつなくなってしまうか分からない不安が少し残っています。作り手使い手の減少は想像以上に深刻だと聞きます。

和紙に刷るのにさらに雁皮刷りをしています。しつこいというか意味のあることなのかと思いますが、どうも雁皮刷りをしないと締まらない、画面に閉じ込められない、だらしなく何かが(何が?)溶け出してしまっているように感じて落ち着かないので、これからもこのスタイルでやっていくんだろうなと思います。

刷る直前に刷毛で水を含ませたり、霧吹きでさっと湿らせたりして使っていますが、木版画の本に「和紙の湿らせ方」を発見。制作工程の刷りのページに「和紙に刷る」も加えていきたいと思いますが、とりあえずここに置いておきます。

湿らせた和紙で摺りの適性を上げる
最初に紙を湿らすことによって、次のような効果がある。
①紙を柔らかくし、版との密着を良くする
②ドーサの効きを和らげ、絵の具の付きを良くする
③紙をあらかじめ伸ばし、全体の狂いとしわを抑える

ー「みみずく・アートシリーズ『木版画ノート』」(視覚デザイン研究所編)

和紙の湿らせ方