銅版画制作工程
- 制作工程トップページ
- 銅の板を切る・磨く
- プレートマークを作る
- 銅版画を刷る
- エッチング
- ドライポイント
- アクアチント
- ディープエッチング
- ソフトグランドエッチング
- リフトグランドエッチング
- ノントキシック(非毒性)版画技法
- その他の技法
普通のエッチングで使用する「(ハード)グランド」(「グランドを引く・塗る」)より油分が多く粘り気のある「ソフトグランド」を使います。ソフトグランドは固まりません。柔らかいグランドに葉っぱやレースなど凹凸のあるものを押し付けることで、その模様や質感を転写することができます。
・ウォーマー
・ローラー
・ソフトグランド
・レース、ラフィア、ひも、葉っぱ、スタンプなど
・トレーシングペーパー
・鉛筆
(1)ウォーマーで版を温めます。素手で無理なく触れる程度温まったら下ろします。
(2)ソフトグランドを押し当てて塗ります。
(3)ローラーで全面にのばします。グランドを厚くしたい場合は、グランドを塗ってのばしてを数度繰り返します。版が冷めてしまったらまた少しウォーマーで温めます。
グランドの濃度はお好みで。この後プレス機を通すなら濃いめに(写真右下)、鉛筆で描くなら薄いマットな茶色になるくらい(写真左側)がおすすめです。鉛筆で描く時は、一晩置くとより描きやすい気がします。
葉っぱやレース、糸やアルミホイル、どんなものでも構いません。スタンプを押しても良いです。どんな様子になるのか、色々楽しんでみてください。
(1)プレス機にグランドを塗った銅版を置いて、葉っぱなどを乗せます。
(2)プレス機のフェルトが汚れないようにトレーシングペーパー、少し厚手の紙を乗せてプレスします。
(3)ピンセットを使ったりしながらきれいに剥がします。残っていると腐食液が汚れてしまうのでしっかりと。
しっかり熱が取れた状態の銅版にトレーシングペーパーをかぶせて鉛筆で描画します。鉛筆の線がそのまま出ます。硬い鉛筆を使えば細く鋭い線、軟かい鉛筆を使えば太く柔らかい線、クレヨンで描けばクレヨンの線そのものが作れます。
グランドが剥がれやすいので、エッチングのページでもご紹介したような板を使うと安心してゆっくり描けます。
グランドが剥がれすぎてしまったら腐食する前にマスキングします。
ソフトグランド以外の技法では版面を下にして腐食していますが( 「腐食する」)、ソフトグランドは傷がつきやすいので、そのまま腐食液に入れます。暇だったら様子を見がてら数分ごとに揺すって金属くずを払います。
デモンストレーションでおさのさんに作ってもらったもの。網のようなものは寒冷紗。右にあるのはアルミホイルを丸めたもの。アルミホイルの面白さも葉脈もこんなにきれいにできるんだ!と感動しました。
今回撮影用に作ったものはちょっと圧が足りず、全体的に薄くなってしまいました。こちらが本来の目指すできあがり。大切な一枚です。