銅版画制作工程
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グランドの除去や道具の片付けにはガソリンなどの有機溶剤を使用することがまだまだ一般的です。より安全な版画技法であるノントキシック版画技法では食用油や洗剤など台所にある物を使います。洗浄に多くの有機溶剤を必要としていたので、この工程を置き換えるだけで体調への悪影響をかなり抑えられると思います。
・サラダ油
・食器用洗剤
・新聞紙
・筆
・ウエス
(1)柔らかいウエスを使って、あらかじめ拭ける分は拭いておきます。適量サラダ油(メイク落としでも可)をたらします。
(2)柔らかい筆でインク汚れに馴染ませていきます。
(3)きれいな柔らかいウエスで拭き取ります。台所用洗剤で洗い、しっかり水を拭き取り、ウォーマーやドライヤーで乾かします。更にしょうゆで洗って脱脂しておくと、良い状態で保管できます。
(1)あらかじめ取れる分の汚れは可能なかぎりヘラやウエス(ペーパーウエス使いやすいです)で取っておきます。
(2)サラダ油を適量たらします。
(3)筆でなじませていきます。
(4)ウエスで汚れを拭き取ります。更に台所用洗剤やガスコンロ用クリーナーなどで油分を拭き取ります。
(1)あらかじめ取れる分の汚れは可能な限り取りたいので、新聞紙にゴロゴロ汚れをとにかく移します。
(2)一本の線上にサラダ油をたらします。
(3)油をローラー全体に絡ませながら、インクを新聞紙に移していきます。汚れが多い場合は、新聞紙を変えて繰り返します。
(4)柔らかいウエスで拭き取ります。
シャルボネール社から水性インクAQUA WASHが販売されています。色数も油性と同じ数が揃っています。私はこれでもかというくらい紙を湿らせて刷るので、水性は上手く使えませんでしたが、このインクにすれば水拭きで済むので、とても便利だと思います。
ノントキシック版画技法については下記のサイトや文献をもとにしています。
・北山銅版画室ウェブサイト
・マルニックス・エヴェラールト「もうそこまで来ている、版画の未来。」(2016)版画学会第45号
・湊七雄「ノントキシック版画技法の普及に向けたワークショップの開発」(2016) 版画学会第45号
・SHICHIO MINATO・湊七雄ウェブサイト Additional Notes「PRINTAMAKING WORKSHOP ARTIST'S GUIDE ノントキシック銅版画への誘い」追記事項